「パナマ文書」租税回避取引にプーチン大統領やメッシ選手など巨額取引横行、この影にオランダが?

3日日曜日世界各国のメディアは、租税回避オフショア取引に関する「パナマ文書」と言われる報告書について報道した。この文書は国際調査報道ジャーナリスト連合が入手し、世界のタックスヘイブン(租税回避地)を使い脱税あるいは巨額融資を受けている政治家、犯罪者、そして著名人を名指しで発表している。

調査では、ロシアのプーチン大統領周辺の人物らがタックスヘイブンの企業を使って巨額融資を受けるなど、総額約二十億ドル(約二千二百億円)の金融取引をしていたことを露呈している。さらにアイスランドのグンロイグソン首相やサッカー界スターのメッシ選手、香港の俳優ジャッキー・チェンら各国の指導者や著名人が、税率がゼロか極めて低い租税回避地を利用している実態も浮上。日本の警備大手セコムの創業者らの租税回避地での法人設立も露呈した。この調査には世界中の400人以上のジャーナリスト、100以上のメディアが協力しており1100万に及ぶ書類が制作された。調査団には日本からも朝日新聞と共同通信が参加している。

さて、租税回避取引にはオランダも少なからず絡んでいる。オランダには実態のないペーパーカンパニーが多く存在し、「架空の契約」を元に支払いが行われている。税務専門家によれば、オランダは「資金流出入の悪用に貢献」しており「外国企業はオランダ法人を設立することで自国の税を逃れている。」と指摘している。

オランダの緑の党のスポークスマンはこのパナマ文書で発覚した巨額の脱税につき、緊急に国会で検討することを提案したと発表。「オランダではペーパーカンパニーは合法で、所有者については公開されない。しかし今回「パナマ文書」で世界における脱税およびマネーロンダリングが発覚した今、所有者の公開は必須である。」とコメントしている。オランダ税当局も調査を開始しているという。
今回のパナマ文書には触れられていないが、オランダにはグーグルやスターバックスという多国籍企業が租税回避の手段のひとつとして、会社を設立している。

パナマ文書