【天気コラム】オランダの春はいつくる?
今日で2月も終わりです。気象の世界では、オランダも日本も3月から春が始まります。春を告げる花々も少しずつ咲き始めましたが、このまま一気に「暖かい春」になるわけではありません。春は段階的にやってくるのです。
データで見る オランダと日本の春
「光→音→気温」の三段階で春はやってくると言われています。
まずは「光の春」。次第に昼間の時間が長くなり、オランダでも晴れた日は「光の春」を感じられるようになってきました。昼間の時間は、すでにお正月の頃より2時間以上も長くなってきています。
日照時間の平年を比べてみると、4月以降はオランダ(De Bilt)の方が東京よりも長くなっていきます。
次は「音の春」です。昼間の時間が長くなるにつれて、鳥たちのさえずりがにぎやかに。次第に耳からも春を感じられるようになります。
最後は「気温の春」。ようやく春本番の暖かさになる頃です。
日本では「暑さ寒さも彼岸まで」と言われている通り、東京も春分の日あたりから最高気温の平年が15℃を超えるようになります。ソメイヨシノの開花もちょうどこの頃です。
一方、オランダ(De Bilt)では4月後半以降となります。最高気温15℃以上の日数の平年は、3月はたった4日間だけですが、4月は13日間、5月になると23日間と増えていきます。平均すると、5月は7割以上の日で暖かさを感じられるようになり、ようやくホッとできそうです。
春を感じても油断禁物
「気温の春」到来に向けて、これから段々と春の足音が聞こえてくるものの、注意が必要なのが「変わりやすい天気」です。オランダには「Maart roert zijn staart(3月は尾を引く)」ということわざがあります。これは、3月には春を感じる暖かい日もあれば、冬に逆戻りの寒い日や、時には冬の嵐が到来することもあるためです。寒さは緩んでも気は緩めず、変化の大きい3月の天気にはくれぐれもお気をつけください。
オランダはKNMI所在地のDe Biltの値を記載
平年は1991年~2020年の30年平均
参照
https://www.weeronline.nl/nieuws/maart-roert-zijn-staart
プロフィール
竹内青空(たけうち あおぞら)
徳島県出身。2021年よりデン・ハーグ在住。インスタグラム(@aozora_takeuchi)でオランダの天気や生活について発信中。日本ではウェザーニューズに所属して気象原稿作成やラジオの気象情報を担当、千葉テレビでも気象キャスターとして出演していました。