オランダ、税回避先のトップに

オランダ住民に対する税金は高い。ところが税回避を目的としてオランダに設立した会社となると話は違う。EU税務監視機関の研究機関が報告したところによると、オランダを通して、(多国籍)企業は税金を逃れるために1,000億ドルから1,800億ドル(940億ユーロから1,700億ユーロ)の利益を流用しているという。アイルランドと並んでオランダは世界のトップである。

会計上の利益を移すことで、企業は数十億ドルの税金を回避できるのだ。オランダは長年にわたって最も人気のある「税回避先」の一つだった。

2020年には、外国企業は1,800億ドルの利益をオランダに移している。これにより、前年1位だったアイルランドを大きく上回わった。両国に次いで、スイス、英領バージン諸島、ルクセンブルクが利益移転先として最も人気があるという。

調査によれば、特にアメリカ企業が自国での税金を逃れるためにこの方法を利用しているという。もう一つのグループは億万長者で、彼らはほとんど税金を払っていない。これは主に、ダミー会社を利用して自国で(合法的に)税金を回避したり、(違法に)脱税したりしているためだという。「これまでのところ、この状況に対処する本格的な試みは行われていない」と同研究所は述べた。

2017年から銀行口座情報の交換が可能になったことで、オフショアのタックスヘイブンを介した租税回避がより困難になってきた。また、来年多国籍企業向けにグローバルミニマム税を導入する計画がある。これにより、オランダを利用した税回避は減る可能性がある。

さらにEUは超富裕層向けに世界最低税を2%にすることを検討している。これにより、すでに2,500億ドルが生み出される可能性がある。多国籍企業に対する最低税に関する法律の多くの抜け穴も塞がれる必要があり、これにより約2500億ドルが調達できる可能性もある。

この合計は、貧しい国が気候変動の影響と闘うのにまさに十分な金額となる。

画像:EU Tax