100年前にアムステルダム派建築に魅了された日本人

1910年から1925年にアムステルダムを中心に活躍した建築家グループ「アムステルダム派(Amsterdam School)」に魅せられた日本人建築家がいる。アムステルダム派は生活と美術の統合を目指し、主に労働者階級のための集合住宅を手掛けた建築家グループである。その中でも船(Het Schip)の形をした集合住宅(現在は美術館に)を特に気に入って念入りに研究した日本人建築家、堀口捨己がここを訪問してからちょうど今年で100年になる。

大学を卒業した堀口捨己は父親から欧州旅行を卒業記念としてプレゼントされる。ベルギーから列車に乗った堀口はローゼンダールから乗り込んだタバコ貿易人であるファン・デル・スタンペル氏に出会い、アムステルダムを案内してもらうことになる。そこで当時先端の建築であったヘット・スキップ – 船(Het Schip)を見てこれに魅せられる。

堀口捨己は日本に帰ってから「現代オランダ建築」(1924)という本を出版する。そしてオランダ建築に影響された数々の建物を建設した。

現在、ヘット・スキップ(船)美術館では、「日本人建築家堀口がアムステルダム派に出会う」という展覧会が開催されている。展示会だけでなくこの美しい建築の全容と内部を見るいい機会である。展覧会は10月22日まで。