オランダ連立政権崩壊、移民政策の相違が引き金に
オランダ連立政権は移民政策をめぐる連立4党の意見の相違から金曜日崩壊した。ルッテ首相の率いる連立政権は、自由民主党(VVD)、キリスト教民主党(CDA)、民主66党(D66)そしてキリスト教連盟(CU)の4党からなっていた。難民施設がパンク状態にあることで、VVD党はオランダへの流入難民申請者数を減らそうとしていたが、連立内のCU党とD66党の2党がこれに反対していた。
オランダは過去には難民を積極的に受け入れる国だったが、現在ではEU内でも最も厳しい難民政策をとる国のひとつとなっている。昨年には申請待ちの難民多数が水やトイレや薬も提供されずに野外で寝るという事態が発生し、大きな問題となっていた。これに対応するため、ルッテ首相は流入難民数を制限するという政策を発表。難民としてオランダに居住する人の子供がオランダに来ることを禁止する政策を出していた。連立する政党2党はこれに反対し、今回の政府崩壊の引き金となった。
ルッテ内閣は2010年から4期目という長期政権を保持してきた。しかしその期間にオランダの政策はそれまでの社会民主主義から経済成長に力を入れ弱者を顧みない政策へと変わってきた。オランダは極端な住宅不足や窒素排出問題による農地の接収や新規の建設工事中止など、多くの解決されていない問題をかかえている。総選挙は11月に行われる予定。