ガス価格、ピーク時の12分の1にまで下がる

ガス市場価格が下がり続けており、木曜日にはメガワット時あたり25ユーロという価格をつけた。これは今年初めの価格の4分の1,また2022年8月の12分の1という価格だ。この下落はやっと一般家庭のガス料金に反映されることになる。

木曜日、ガス価格は突然9%も下落した。昨年ウクライナ戦争勃発とともに急騰したガス価格は、最高時にメガワット時あたり306ユーロという価格をつけていた。現在の市場価格は2021年の夏以来最も低い。

この価格低下の要因となっているのは、すでに十分なガスが貯蔵されていることにある。昨年の高騰は、ロシアからのガス輸送が止まったことで冬を越せないのではという欧州諸国の懸念から、各国がガスを大量に買ったことが原因だ。しかし懸念されていた厳しい冬は訪れず、使用料がそれほど高まらなかったことに加え、液体ガスの輸入でガスの供給が十分となった。さらに欧州の経済の冷え込みから工業用のガス利用が減ったことも下落の要因となっている。工業大国ドイツも景気後退を発表、2022年第4四半期と2023年第1四半期には経済収縮が統計に表れた。

ガス価格はさらに下がることも予想されている。2018年から2021年のガス価格はメガワット時10ユーロ以下だったこともあり、このレベルまで下がるという予想もある。

さて一般庶民にとって関心がある家庭でのガス料金だが、ようやくガス市場価格低下が反映される。格安会社だけでなく、Vattenfall, Eneco, Essentという大手でもすでに料金を引き下げている。オランダ政府の設定した最高価格である1立法メートルあたり1.45ユーロという価格よりすでに下がっている。また6月から数年間の価格が固定される新規契約も登場する。ただし現在の契約を解消するには高額な罰金がかかる。