増える不登校児、オランダの施策は?

オランダにも不登校の生徒たちは少なくない。その数は増え続け、昨年には2万人と一昨年より5千人増えている。国会で社会党代表が、通常の学校教育には合わない生徒たちの教育に予算を計上するよう教育大臣に要請している。

実際には2014年から「(子供に合った)適切な教育法」という法律が施行され、学校が子供に必要な支援をすることが義務付けられた。しかし9年たっても学校に行かず家にいる子供の数は増え続けているのが現状だ。

学校に馴染めない子供は、ケアファームやタレントクラスといった別の教育を受けることも可能だ。このほか、ワルハルラブ(WALHALLAb)といったクリエーティブな技術を習う場所に行くこともできる。このラボはズツフェンに最初に作られたが、今ではヘルモンドやロッテルダムにも開校している。子供や青少年が木工から3Dデザインそして溶接まで好きなことに挑戦できる施設である。ここではプロの指導を受けることができる。

この施設を始めたモウトさんは、「家にいて学校に行かない子供に私の工房で木工を教えたのが始まり。子どもたちがエネルギーを取り戻し、自信がつくのが見えた。自分が何が好きなのかを発見するプロセスとなった。」と語っている。

WALHALLAbは、正式な学校ではない。不登校や家庭問題をかかえる子どもたちだけでなく、学校の勉強以外でも何かに挑戦したいという子どもたちも来ている。ただ正式な学校ではないためWALHALLAbは財政的に継続が難しい。

モウトさんも国会に招かれて、不登校問題の現状を発表した人のひとりだ。こういった「普通の学校に合わない子どもたちのための教育」への予算をどうにか増やそうというのも、今回の教育大臣への要請である。この要請を受け、教育大臣は、不登校児にゲーム作成やプログラミングを教える施設を訪問した。こういった施設への援助について真剣に考えたいと語っている。
(画像:Walhallab)

ワルハラルラブWallahalab