オランダ、堤防を高くしても温暖化による海面上昇には勝てない!?

ユトレヒト大学の自然地理学教授クラインハンス氏によれば、さらなる地球温暖化はオランダにとって致命的となると警告している。またオランダ王立気象研究所(KNMI)の所長であるファン・デル・ステーンホーフェン氏は、1.5度という温暖化の限界を超える脅威について懸念を表明し、選挙後の新政府が地球温暖化と戦うためさらに積極的に取り組むよう求めている。現在、世界は3度の温暖化に向かっている。「それは劇的な状況につながる。」と同氏。

KNMIは最近、排出に起因する地球温暖化が大幅に過小評価されている可能性があることを示す研究(文末のリンク)に言及している。「私たちの2世代目は気温の3度上昇は避けられず、その結果は海面上昇だ。そして、海とともに、川はオランダの全幅にわたって上昇する。現在河川地域では、水を排出することによって都市を保護しているが、海水による背水はもはや意味をもたなくなる。」これらの川はオランダをデルタ地帯へと逆戻りさせる。北海のライン川、マース川、スヘルト川、エムス川の河口地帯となる。

前出のクラインハンス氏によれば、問題は堤防だという。満潮のたびに川が溢れて海に入るのを防いできた。しかし、それらの(マイナーな)洪水は、粘土を堆積させることによってオランダを形成してきた。
干拓による泥炭地も底が落ち着き、沈静化するという結果をもたらしたため、オランダの半分はますます深くなり、これまで以上に高い堤防に守られることになった。したがって、干拓地を乾いた状態に保つために、ますます多くの排水が必要になるが、この排水は塩の海水が堤防の下に吸い込まれることを意味する。その塩分を含んだ地下水は、農業に大きな影響を及ぼしている。

堤防を高くして国土を守るよりも、積極的に温暖化に取り組むことが緊急に必要な課題であると、クラインハンス教授は警告している。17日に行われる総選挙でも環境問題は重要な争点となっている。

KNMIの最新の報告書