オランダ経済成長マイナス8.5%、過去最大の縮小

今年の第2四半期のオランダ経済は第1四半期と比較し8.5%縮小した。中央統計局(CBS)チーフエコノミストは「この縮小は景気後退(recession) だと片付けられるようなレベルではない。2期続けての縮小で経済は10%後退した。これは1930年代の大恐慌時を上回る」とコメントしている。

国民総生産(GDP)の低下は消費の減少が大きな要因となっている。とくにロックダウンにより大きな被害を受けた文化、リクレーション(旅行など)、運輸(航空など)そして飲食業の縮小は目立つ。第2四半期(4月から6月)の消費は前四半期(1月から3月)に比較し10%減少、投資も12.4%減少している。

CBSはしかし、この経済後退はロックダウンだけが原因ではないと分析している。最初はコロナウィルスによるロックダウンが大きく影響していたが、飲食店が再開した現在でも混み合う店は多くない。消費者はいまだにウィルス感染を恐れ外出を自粛している。
輸出経済に頼るオランダだが、世界中に拡大したコロナ禍で、貿易も大きく後退した。そして観光客やサービスの輸出が途絶えたことも痛手となっている。

しかし欧州全体から見るとオランダの経済の縮小はまだましなほうだ。ユーロ域の平均より縮小率は低いだけでなく、隣国であるドイツ(10.1%)やベルギー(12.2%) そして英国(20.4%)に比べるとその衝撃は少し軽い。
(グラフはCBS)

CBS: オランダ経済8.5%縮小