新型ウィルス関連情報(3月16日)3月16日ルッテ首相による国民向けスピーチ
16日(月)19:00より、ルッテ首相は、当国テレビ放送・インターネットを通じ、国民に向けてスピーチを行いました。主要ポイントは以下のとおりです。
なお、オランダの首相がテレビを通じ国民に向けてスピーチを行うのは、1973年の石油危機に際して、当時のデン・アイル首相が行って以来はじめてのことです。
● 新型コロナウイルスが我が国と世界を席巻しており、国内外でとられている措置は平和時のものとしては前代未聞。
● 亡くなられた方のご親族に弔意を表し、療養中の方の早期回復を祈る。
● 高齢者や病気がちな方のリスクを最小限に抑えることが最優先課題。
● 異なる情報が次々入り、国毎に対応が違い、情報が瞬時に伝わり、意見も早急に変わる中、専門家の知識と経験に従い、措置をとるのが唯一の賢明な方法である。
● 私の今夜のメッセージは心地よいものではない。新型コロナウイルスは当面は居続けるであろう。専門家によれば、現実問題として、オランダ国民の多くがウイルスに感染するであろうが、ワクチンや薬ができるまでの間、ウイルスの拡大を抑え、コントロールされた集団免疫を得ることができる。それまでに何ヶ月かそれ以上の期間を要するため、その間、リスクの大きい人を極力保護する必要がある。
● 3つのシナリオがあり、オランダは、ウイルスを最大限にコントロールし、感染者数のピークを低め長期間に引き延ばすことで大多数の人を軽症にし、医療のキャパシティを維持する第一のシナリオを目指す。コントロールできずウイルスが拡散する第二のシナリオでは医療のキャパシティが不足する。国を完全に閉鎖しウイルスの阻止を際限なく追求する第三のシナリオでは、国を1年あるいはそれ以上停滞させなければならないが、オランダは開かれた国で、ワクチンがない以上、新型コロナウイルスは世界中に広がり、オランダも例外ではない。
● これまでに発表された全ての助言や措置は、第一のシナリオ「最大限のコントロール」に基づく。今後何ヶ月間かは試行錯誤となるであろうが、必要な措置と、極力普通に生活を続けることのバランスを追求する。
● 同時に、この危機が経済に与える影響に目をつぶることはできない。内閣は、オランダの企業家と被雇用者を支援するために必要なことを行う。
● これまでの指示や措置が遵守されていること、心温まる互助と団結に対して、私はオランダの全ての人達に謝意を表する。常識を働かせ、専門家の指示に従っていただきたい。今は意見や立場の違いを乗り越えて協力し合うべき時、大変な状況下で日夜他者を助け、ウイルスを抑制しようと努めている人々に対して信頼を託すべき時である。病院や高齢者医療施設の清掃業者、看護師及び医師、ホームドクター、保険局関係者、警察官、救急車要員、その他の救護関係者、学校、託児所、公共交通機関、スーパーマーケット等で働く人々の素晴らしい仕事ぶりに、心から謝意を表する。我々が直面する課題は極めて大きく、我々は17百万人が一丸となって対処していかねばならない。お互いを考慮しよう。皆さんに期待。