アムステルダムの花市場で売られるチューリップの球根、ほとんどが粗悪品

チューリップの球根はオランダを訪れる観光客に人気である。アムステルダムの中心部にある花市場ではほとんどの店でチューリップの球根が売られている。しかしアムステルダム市と花球根連盟(KAVB)が調査した結果によれば、実際に植えても芽が出なかったり、表示されているものと違う花が咲いたりするという。調査団は異なる店で売られる1364個のチューリップの球根を調べたが、そのうち花が咲いたのは14個のみ。全体の1%に過ぎなかった。さらに花が咲いた球根のすべてがパッケージに表示されている花と違っていた。パッケージには青いチューリップの写真が載っていても実際に青いチューリップは出てこないのである。

アムステルダム市は消費者に対する詐欺行為だとし、花市場とアムステルダム市のイメージ下落を懸念している。
さらに調査はアムステルダムの花市場だけでなく、キューケンホフ近辺のリッセにある道路N208沿いにある「球根通り」でも行われた。ここでも同様な結果が出ており、b「おそらく過去20年間、同様な不正行為が行われていた模様」だと調査団は発表している。これまでに数百万人に及ぶ旅行者やオランダ人消費者が被害にあっていたことになる。アムステルダム市とリッセ市そしてKAVBは、消費者と市場管理局(ACM)に調査結果を報告し、消費者の保護に務めるよう促している。

かつてアムステルダムの花市場は生花があふれる本物の「花市場」だった。ところが近年旅行者の増加にともない、土産物用の球根などを売る店がほとんどになってしまった。