オランダ、深刻な橋守不足で船舶の待ち時間長く

日本では50年近く前に消滅した「橋守」。運河や川の多いオランダでは全土いたるところで活躍している。ところが昨今の人手不足の波は橋守にも及び、多くの橋で橋守(オランダ語でBrugwachter)がいなくなった。そのため水上を通行する船舶の待ち時間が以前に比べて長くなっている。

人手不足で、今では橋守たちは何本かの橋や水門を掛け持ちしなくてはならない。橋守がいない橋は当然ながら開かないため、ボートや船は水上で待たねばならない。ザーンスタットのクロマーニュ橋は通常30分ごとに開いていたのだが、今では橋守が他に行き戻ってくるのを待たねばならず不定期になっている。北オランダ州では橋守の仕事を外部の企業に依頼し派遣制度にしたのだが、それでも人が足りないという。

この橋守不足の大きな原因は雇用条件の悪さである。「まるで中世のようだ。」と語る橋守もいる。給料は安い上、事故が起きれば罰金が取られるという劣悪さだ。経験が浅い橋守は事故を起こすことも多い。2017年には上に上がったアムステルフェーンの橋から車が落ちるという事故も起きている。

ボートやヨットで水遊びをしているときになかなか橋が上がらないのは待つしかない。しかし運搬用の船舶は待ち時間で大きな損失を被っている。1日に1000ユーロも損失を被るという船舶もある。橋守たちはより良い労働条件を求め自治体と交渉している。

2017年に起きた事故