フランドル絵画の巨匠 ヴァン•ダイクの幻の作品がテレビ番組で発見

イギリスのイーストミッドランド、ダービーシャーに住むジェイミーマクラウド司祭が購入した絵画が、17世紀フランドル地方出身の巨匠でチャールズ1世庇護の下、宮廷画家として活躍しイギリス肖像画に多大な影響を与えたアンソニー・ヴァン・ダイク作であることが、BBCのテレビ番組アンティークロードショーに出品されたことを機に判明した。マクラウド司祭はこの絵を400ポンドで購入したが、実際の価値は40万ポンド( 48万ユーロ)相当になる模様。 

マクラウド司祭は骨董品店でこの絵を購入し、去年の6月にBBC放送のアンティークロードショーがノッティンガム近郊にあるニューステッド修道院で撮影された際にその絵画を持ち込んだ。

この番組の司会者は司祭が持ち込んだ絵が本物である可能性が高いと直感し、実際の絵の上から塗られていた塗料を落とし復元作業を施すことを薦めた。 この細心の注意を必要とする作業に司祭は許可を与えたものの、上から塗り重ねられた絵の下からどんな絵画が現れるのか皆目検討がついていなかった。

当番組の司会者は、ヴァン•ダイク研究の世界的権威であるクリストファー•ブラウン博士によってこの絵が本物であるという事実がこの度確認されたことに非常に興奮したと述べている。これはこの人気長寿番組36年の歴史の中で最も貴重な掘り出し物となった。

この絵画はブリュッセルの行政長官を描いた物で、1695年にフランスがブリュッセルを攻撃した際に破壊されたと考えられていたヴァン•ダイクの1634年の作品群、7人の行政長官のシリーズの1つと見られている。

マクラウド司祭はこの絵画を売却し礼拝堂に新しい鐘を購入する予定だそうだ。