フランスの「黄色いベスト」運動、オランダでも

フランスで燃料税引き上げへの抗議から始まった反政府「黄色いベスト」運動は、8日も早朝からデモが続き、パリでは、これまでに920人が拘束されている。8日に行われたデモには、フランス全土で12万5,000人が参加し、パリでは一部が暴徒化し、車などが放火されたほか、略奪行為も行われた。また隣国ベルギーのブラッセルでも、フランスの「黄色いベスト」運動に感化されたデモがあり、約1000人が参加、警官隊と小競り合いになるなどし、約400人が拘束された。

オランダでも8日、「黄色いベスト」デモが各地で行われたが比較的平穏に終わった。アムステルダムでは200人がデモに参加し、3人が花火を打ち上げるなどで逮捕された。このほかハーグでは約100名、ロッテルダムやマーストリヒトでもそれぞれ約200名が参加するデモが行われたが、平穏に終わっている。
オランダのルッテ首相は、7日フランスのデモに共感するオランダ人の気持ちはわかると記者会見で述べている。「我々はみな黄色いベストを着ている。社会の変化には(国民のみならず政府も)みな懸念している。」と発言、気候変動や移民問題などについて国民の不安を理解していると述べている。この発言に反感を抱くオランダ人もいるが、やはりフランスに比べ貧富の差は少ない上、政府と国民との距離も近いことなど、政府に対する不満度が低いことがオランダでのデモの拡大・激化を防いでいるとみられる。