市街地から車を締め出したい当局と顧客確保に車侵入賛成の小売業者の対立

地方選が迫るオランダで、市街地からの車締め出しを推進を掲げている政党は4党に1党。これに対し、市街地で営業をしている小売業者たちはこの計画に反対している。小売業者の団体であるオランダ・小売連盟(Detailhandel Nederland)は12の都市での分析結果を発表した。これによれば、各都市における左派政党が市街地から車を排除する政策に賛成しており、駐車場の撤廃あるいは排気ガスを大量に発生させる(古い)車の進入禁止などを掲げている。

小売連盟の会長であるファン・ウワコム氏は、この政策を小売業者にとって壊滅的だと批判。「公共交通機関を利用できないような場所に住んでいる人や、車でなければ運べない商品を買う人々にとって、車の締め出しは最悪だ。ますますオンラインでの購買に走る人が増える。」とNOSのラジオ番組でコメントしている。同氏は、P&R(一定の値段で市街地の外側に車を駐車し、そこから公共交通機関で市街地に行けるというシステム)をさらに充実させたり、混雑する日には通常よりも駐車設備を確保したり、電気自動車用チャージ場所を充実させるなど、車の利用者の便宜をはかるよう提唱している。

環境保護団体である環境防衛(Milieudefensie)は、市街地からの車排除を支持。同団体が行った(地方選のための)世論調査によれば、オランダ4大都市(アムステルダム、ロッテルダム、ハーグ、ユトレヒト)の住民の大半は、市街地での排気ガス規制を行うべきだと考えているという。もっと車を入れるべきだという人は10%に過ぎない。

オランダ小売業界