ベルギー 揺れるダイヤモンド業界

ベルギーでは、ダイヤモンドトレーダーによる脱税の結果、数億ユーロの国庫への損害が推定されているらしい。

アントワープに在籍する193ものダイヤモンドトレーダーが、彼らの富を隠すため幽霊会社を持っていることが判明した。これらの幽霊会社はそれぞれ、タックスヘブンに本社を持っている。 この税金詐欺は、スイスのHSBC銀行から口座の詳細が盗まれたことにより明らかになった。

この事実は経済新聞”De Tijd”のジャーナリストが、盗まれた口座情報へのアクセスを与えられたことによって判明した。 このジャーナリストは369人を含む193のアントワープのダイヤモンドトレーダ達が詮索好きな国税局の目を逃れ、複雑な金融迷路を駆使してタックスヘブンへ送金したことをつきとめている。

アントワープのダイヤモンドトレーダーが脱税で指摘されたのは今回が初めてではない。‘De Tijd’の記事によると、アントワープのダイヤモンド業者の連合会に属する多くのメンバーが、盗まれたHSBCのリストに載っているということだ。

国家連邦長官でこの件に関する最高責任者であるジョン クロンベ氏はVRTテレビの時事番組で「この件に関しては改善がみられているし、過度に反応はしていない。HSBCスイス銀行が2007年以来多くの脱税に関与していたのは周知の事実だ」と語った。 
 
またクロンベ氏によると、最近の脱税詐欺の不祥事の多くが明るみに出始めたことで銀行や詐欺師側もそれに応じて何らかの反応を取り始めているということだ。 国税局と司法当局がダイヤモンド業界の多くのトレーダーの財政を良好に保つことを益々困難にしつつあるという理由から、彼らはベルギーを去ることを示唆している。

罰金を課し、裁判所外で合意することによりベルギー財務省は既に損害の一部を回収している。