オランダの生活の質、25年間で大きく向上、ただし格差は広がる

オランダ人の生活の質が過去25年間で大きく向上していることが、1990年から毎年行われてきた社会文化計画局(SCP)の調査で判明した。寿命、教育程度、就業率そして所得がすべて向上。これに対し犯罪は減少。さらに住居環境もよくなり、スポーツをする人も増えただけでなく、休暇旅行も以前より頻繁に行くという結果が出ている。しかしながら、過去2年間で、高等教育を受け健康な人と、教育レベルが低かったり病気あるいはハンディキャップを持つ人との間の格差が大きく広まりつつあることも確かだ。
SCPの調査結果では、25年前には貧富の差はほとんど感じられなかったオランダで、現在ではこの格差を指摘する人が増えている。生活の満足度を見ると、経済的あるいは健康的に恵まれない人たちの満足度は2008年には7.2だったのが、6.6へと下がっている。オランダ人全体の平均ではこの満足度は7.8。恵まれている人では8.2という結果が出ている。

人口はこの25年間で増加し、人種や出身地も多様化している。2016年には西欧以外の出身者は210万人と全人口の12%を占めている。20年前には110万人(9%)だった。移民に対する寛容度もあがっている。1994年には、外国人が多すぎると不満を示した人が49%もいたが、2017年にはこの数は31%へと減少している。

政治に対して懐疑的な人は減っている。オランダの民主主義に対する満足度は高い。価値観や規範そしてコミュニティの中での人間関係なでも、25年前にはこれを懸念する人が多かったが、現在ではこの数も減りつつある。

SCP調査結果