アンネ・フランク自筆の詩、競売に

アンネ・フランクが書いた直筆の詩が本日23日、ハーレムのオークションハウスで競売に出される。この詩はフランク一家がナチスから身を隠すため隠れ家に潜伏する直前に書かれたものである。オークションハウス「ブブ・カイパー」によれば、競売価格は3万ユーロ(350万円)を超える見込み。8行からなるこの詩の前半は他の詩からの引用だが、後半はアンネの自作だと考えられている。今回競売に出されるこの詩は非常に希少なものだという。過去40年間で署名付きのものは4−5回しか出ていない。
1988年には、アンネと姉のマルゴが米国のペンフレンドたちと交わした手紙の束が16万5000ドルで落札されたほか、今年5月には巻頭に姉妹の署名がはいった1925年版のグリム童話が米ニューヨークで開かれたオークションで予想落札価格の2倍となる6万2500ドルで落札されている

白紙に黒インクで書かれた詩はアンネの親友ジャクリーヌ・ファン・マールセンさんの姉が所有していたフレンドシップ・ブック(友達が書き込んで回すノート)に書きこまれたもの。1942年3月28日という日付とアンネの署名が記されている。アンネはジャクリーンさんのフレンドシップ・ブックにも書いているが、あまりにも思い出が深いため、まだ処分する気にはなれないと語っている。以下は詩の英訳。CriCriはジャクリーヌさんの姉のクリスティアーヌの愛称である。

Dear CriCri
If you did not finish your work properly,
And lost precious time,
Then once again take up your task
And try harder than before.
If others have reproached you
For what you have done wrong,
Then be sure to amend your mistake.
That is the best memory one can make.

ジャクリーヌ・ファン・マールセン