アムステルダムの一部で原付きバイクやスクーターの自転車道通行禁止に

オランダでは時速25km以下の原付きバイクやスクーターは、ヘルメットなしで自転車専用道を走れる。これ以上の速度が出るバイクやスクーターはヘルメット着装が義務付けられ、自動車道を走らなくてはいけない。しかし、多くの自転車利用者や歩行者にとって、自転車道を猛スピードで走る原付きバイクやスクーターは危険で迷惑な存在である。とくにアムステルダム市内のように人通りが多く、自転車道に慣れていない観光客があふれている場所では、頭痛の種である。

アムステルダムの西部にあるJan EvertsenstraatとBilderdijkstraatでは全国レベルでの規制を待たずに、試験的に自転車専用道路から原付きバイクを締め出すことになった。アムステルダム西区ではこの実験で規制に効果があるかどうかを測るという。ただし、単に原付バイクが自動車道を走るようになるとしても、ヘルメット着用規制がないため今度は原付バイク側が危険に直面するなどの問題もある。

オランダ全土での原付バイクとスクーターの事故の53%がアムステルダム市内で起きている。道路が狭い上、通行量が多いことに加え、原付きバイクとスクーターの絶対量が増加していることがこの背景にある。 2007年から2014年の間に登録台数は266%増加している。さらに当局の調査によれば、自転車道を走る96%の原付きバイクとスクーターは、法定速度の時速25kmをオーバーして走行しているという。
今回の実験の結果で効果があるということになれば、全国レベルで実施される可能性もあるが、規制には時間がかかるとみられている。