暖冬で自然界が狂う。果実栽培にも悪影響

一時的に零下の時期があったものの、昨年秋から今年にかけてオランダとしては暖かい日が続いている。このため自然界にも異変が起きていている。ハシバミ、ハンノキ、水仙はすでに開花しており、カエルやサンショウウオは冬眠から早く目覚めるという現象が見られる。暦の上ではまだ1ヶ月半ほど冬なのだが、このまま春になる前に、もう一度冬に戻らねば不都合なことが起きそうだ。

昨年は9月、10月、11月と暖かい秋日が続いた。このため紅葉や葉が落ちるのが遅れ、ときには12月にやっと落ち葉が見られるということもあった。暖かい秋のせいでハシバミやハンノキが芽を出したため、通常なら春から始まる花粉症も乾燥した日が続けば冬の間に発症しそうだ。

多くの種は、種子が発芽したり、成長プロセスが再開したりするために、寒い時期を必要とする。たとえば、初冬の寒さの後では、樹木の樹液の流れが早く始まることがある。
それにはリスクがないわけではない。最も寒い冬の 2 か月のうち、まだ 1 週間しか経っていない。たとえば、2 月に再び厳しい霜が降りると、すでに春を経験している木の枝は凍って枯れる。これは自然だけの問題ではなく、果樹栽培者にとっては大問題だ。「凍った花は 1 回の収穫に支障をきたすが、枯れた枝は何年にもわたる損害だ」と 専門家。

オランダの暖冬は渡り鳥にとっても問題だ。寒い冬を避けてアフリカで冬を過ごし北に戻ってくる渡り鳥だが、急速に温暖化するヨーロッパの春のためにやてってくるのが「遅すぎる」渡り鳥だ。

例えば、ヒタキという鳥類。アフリカから欧州に戻ったヒタキはパートナーを見つけ、巣を作り、卵を孵化させ、小鳥のための 餌を見つけなければならない。春先になると、ヒタキはこれに苦労する。温暖化のため餌の供給のピークはすでに過ぎているからだ。

暖冬で混乱する渡り鳥