必ずバイリンガルになる? 駐在期間中の子供の英語 オランダ編  

みなさんこんにちわ。オランダ在住歴27年EIKAIWAHOLLANDhttps://eikaiwaholland.com/ 英語講師のナカザキです。今回お話させていただくテーマは、駐在期間中の子供の英語についてです。私自身この20年程、オランダにあるいくつかのインターナショナルスクール、ブリティッシュスクール、また2ヶ国語(オランダ語と英語)のバイリンガルで行う公立校、そして日本人学校へ通う年齢は5歳児から18歳の高校生までの子供達に英語レッスンをマンツーマンで教えてきました。学校に通いながら実際どう思っているのか、宿題はどのような内容に手こずるのか、レッスン中よく話してくれます。経験と実例を参考にここでは家庭教師としての私の立場から考えを書かせてもらいます。これから海外へ行く際に学校選びを検討されている方、転校させようか考え中の方、もしかしたら参考になるかもしれません。

現地の学校に入ってしまえばそのうちぺらぺらになるだろう、ついていけなくてもどうにかなるだろう、とは思わない方がいいです。私などはアメリカの南部ルイジアナ州に父の仕事の都合で家族で滞在しました。学校で日本人が他に誰もいず、急に自分が孤立するのを感じました。英語がわからないだけでなく文化、習慣が全く違う。アメリカは大きい国ですし、ルイジアナ州の歴史背景、例えば複雑な人種問題などどう対応してよいか戸惑いました。また年齢的にも13歳で難しい年頃、女子同士でおしゃべりに時間を費やしたい時期です。英語も上達するのに時間がかかりました。逆に弟は当時9歳、インターネットもなかった時代なので、外で遊んでいるうちに友達がすぐでき、英語は家族の中の誰よりも先にアメリカンイングリッシュを話せるようになりました。この例からもわかるように、年齢、性格、また土地や習慣、様々な要素を考慮した上で慎重に学校選びをした方がよいかといえます。

まずオランダでの学校の違いについてです。公立校で、英語とオランダ語のバイリンガルで授業が行われる場合。はっきり言ってあまりオススメはできません。理由は、英語と日本語とでのバイリンガルではないからです。子供が混乱し日本語に加えこの二つの言語がごっちゃになりがちです。また、先生の方も公立校で生徒の数が多いので一人一人にそこまでケアできるわけではない。日本人グループは外国人としてざっくりひとまとめにされてしまう。またその小さな日本人グループの中でいじめがあっても先生は気がつかないし対処の仕方が日本人とは違う。あくまでもオランダ人やオランダ人に長く住む予定の外国人の生徒対象にバイリンガルで授業をする、ということだと理解した方がいいです。

それではインターナショナルスクールやブリティッシュスクールだと日本人をひとまとめにしないのか、というともちろんされる場合が多いです。ただ、ほとんどの生徒がオランダ人でなく短期滞在外国人である、英語だけでの授業。よって英語が理解できるか、どこまで理解できるのか、どのような取り組みをして上達させるのか、をきちんと通常はケアしてもらえるはずです。もちろんどこのインターナショナルスクールか、方針面、文化面で細かい違いはあります。ただ日本人学校と圧倒的に違うのは、主体的に自分で考え自分で行動し考えをはっきり述べることのできる子供になるということです。ですので英語が話せる話せない以前に、ものすごく引っ込み思案でうちにこもるタイプの子供にはきつい。あまり神経質でなく楽天的で、子供がみずからインターに行きたい!と強く要望する場合は、その時点で英語ができなくてもあとで後悔しないかと思います。ただ高校生の年齢で日本でもあまり英語が得意でなかった場合は、科目によっては大変苦労します。T.O.Kの授業は特に難しく寝ずに宿題を頑張る毎日になることがよくあります。それでも私が教えた子供の90%は、インターに通ってよい経験になった、楽しかった、と言って帰国する場合がほとんどです。ただ日本語(いわゆるジャパ、国語)を塾に行くなどして必ず勉強した方がいいです。英語を話せるようになったとしても、海外に住んでいる限り日本について色々と聞かれるからです。特に高校生になりエッセイやプレゼンをする際、必ずと言っていいほど自分の国についての知識があることを求められます。その際すらすら話せるよう日本語、日本文化の基礎知識は必ず持っておきましょう。顔だけアジア人で英語ぺらぺら、ママは英語できないよねー、と子供にグッサリ言われ、それでも私の子はこんなに英語ができるようになったからと満足していたとしても子供はあっという間に育ちます。敬語の使い方を知らないそして空気を読めない大人になった際、苦労するのは誰でもない本人です。

逆に、英語の発音は日本人英語だとしても、きちんとした文法の知識がありそこそこ普通に英語を話せ、オランダ語も少し話せるのが日本人学校に通う子だったりします。私によく難しい漢字や日本の最新文房具、またアニメについて色々と話してくれます。それをじゃあ日本語じゃなくて英語で説明してみよう、と練習することもあります。英語は将来役に立つツールであることを理解していて受け身ではありますが宿題もきちんとこなします。日本に住んでいる子供よりは比べ物ならないほど英会話力もありますし、小さな頃から英検を受けたりします。またこの英検ですが個人的な意見としては、高校生のうちに準1級までは取っておいた方がいいと思います。1級は逆に内容が政治のことや難しい専門的論文などので読解が難しいのとそれだったらTOEFLか IELTSの点数を上げるために時間を割いた方が全体の英語力は伸びます。帰国子女枠でレベルの高い大学、学部へ入りたい場合は英検準1級は高校1年生になるまでには必ずとっておきましょう。どの学校に通うにせよ小学校を卒業するまでには2級まで取ることをオススメします。日本語、英語と両方できるようになりますし本人の自信にもつながります。日本に帰国する際学校の選択枠が広がります。

「海外駐在員のための英語」ユーチューブチャンネルはじめました。英語を学ぶメリット、なぜ英語を学んだ方がいいのか、自己投資としての英語、などのトピック等で動画を挙げています。https://www.youtube.com/channel/UCLvtKUzZh5TyinTGm5Bt5Qw

Education is what remains after one has forgotten everything he learned in school. The aim must be the training of independently acting and thinking individuals who see in the service of the community their highest life problem. 教育とは、学校で習ったすべてのことを忘れてしまった後に、自分のなかに残るものをいう。そしてその力を社会が直面する諸問題の解決に役立たせるべく、自ら考え行動できる人間をつくること、それが教育の目的といえよう。- by アインシュタイン