MONO JAPANの中條永味子さん

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今回は「MONO JAPAN」で日本の「もの」をオランダに紹介している中條永味子さんにお話を伺いました。中條さんはJapan Cultural Exchange (JCE)を2015年に設立、日本そしてオランダの文化の発信を行っています。P:ポートフォリオ、C:中條さん

P: 今年で3回目になる「MONO JAPAN」に伺わせていただきましたが、増々盛況のようですね。日本にいてもあまり目にしない美しいものや、すぐれた品物がたくさん展示販売されていて楽しめました。オランダ人の来場者もすごく多かったですね。「MONO JAPAN」を始められたきっかけを教えてください。

M: 2014年に九州を旅行する機会がありました。そのときに、たくさんの素晴らしいものづくりをしている人たちに出会いました。そのとき、つくり手が高齢化していく中、これらのモノを継承し、かつ海外に紹介できないかという気持ちが湧いたのです。2015年に日蘭文化交流を目的としたJCEを設立し、温めていたこの紹介が実現に向かって進むことになりました。

P: JCEを設立し、すぐにMONO JAPANを始めたのですか?

M:その前にこのプロジェクトを前に進めるきっかけとなった多くの出会いがありました。それは運命的とも言っていいかもしれません。準備期間中にインテリアの見本市であるメゾン・エ・オブジェやアンビエンテに出向いていたのですが、そのアンビエンテにて日本のインテリア界でトップの座にいらっしゃる「Time & Style」(注:2017年にアムステルダムにも店舗開店)の吉田社長そしてMUJUNの小林新也氏にお会いする機会に恵まれました。彼らが私の背中を押してくれたのです。

P: 2016年から毎年「MONO JAPAN」の会場は文化大使館という異名を持つ「ロイドホテル」を選ばれましたが、そのいきさつも教えてください。

M: ロイドホテルの代表スザンヌ・オクセナーさんは多くの日本人アーティストと懇意にしています。その関係でスザンヌさんに知り合うことができたのです。RAIのような無機質な会場を使いたくないと思っていたところだったので、これも本当に素晴らしい出会いでした。さらに実際にプロジェクトを始める段階で、著名な舞台デザイナーの遠藤豊さんやグラフィックデザイナーの武田雅也さんの協力を得ることができたのですが、これも運命的な出会いだと思っています。

P:たくさんの運命的な出会いがプロジェクトを成功させたのですね。これも人を引き寄せる中條さんの人格、そして人脈と熱意が実を結んだのだと思います。

M: たしかに周囲のたくさんの人に助けていただきました。とくに在日オランダ大使館を始めとする多くのオランダの団体にはお世話になりました。いつかはオランダに恩返ししたいと思っています。

P: MONO JAPANの他にもいろいろなプロジェクトに取り組んでいらっしゃるようですが。

M: はい、例えば「アルツハイマー・カフェ」の日本への紹介です。これは日本からの視察をお手伝いすることがきっかけとなり始めたものです。日本からの起業視察のアテンドもJCEの仕事のひとつです。

P: オランダに居住を始めたきっかけは?

M: 2000年に友人を訪ねてオランダを旅行しました。そのときからオランダが気に入ってしまい、長期滞在の手立てを考えたのです。運良く米国系の広告代理店に入社することができ、そこでグラフィックデザイナーとして働きはじめました。それから日系企業を経て、2015年にJCEを設立しました。

P: 日本への出張も多いし、いろいろな分野で活躍していらっしゃるので、自由な時間は少ないでしょうけれど、趣味はありますか?

やはり、仕事になってしまいますね。(笑) でもとくに「ものづくり」への探求は趣味になっています。

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