テラス税大幅引き上げで飲食業界に影

アムステルダムを始めオランダの多くの都市では、カフェやレストランが公道にテーブルを出して、屋外テラスを解放している。ところがアムステルダム市は法外なテラス税を課したため、テラスを開けない店も出てきている。ビールは値上がりし、テラスも出ないとなると、カフェやレストランを訪れる人は減り、飲食業に暗い影が落ちると懸念されている。

ユトレヒト通りでカフェを営業しているオーナーは、アムステルダム市から送られてきた48,000ユーロというテラス税に目を疑った。これまでは13,000ユーロだったのが3倍の値上げだ。「ここ2年間分の10万ユーロの税金を払わねばならない。そのためには最低でも60万ユーロ(約1億円)の売上が必要だが、その達成は無理。その上、人件費、ビール、食材、光熱費のすべてが値上がりしているのだ。」とオーナーは怒りを吐く。

「冬の間はテラスを使えないのでほぼ損失のみだが、4月からはテラスが開き収入も増える。しかしこの税金を払うには、ビール一杯に最低4.5ユーロは貰わなければやっていけない。」と同オーナー。

アムステルダム市内には約2500か所のテラスがある。公道でのテラス開設には認可が必要だが、ここにテーブルや椅子を設置すると課税される。このテラス税で市はこれまでの200万ユーロから500万ユーロへの増収を期待している。

オランダ飲食業協会(Horeca Nederland)は、テラスを持つ飲食業店に、市に抗議するよう呼びかけている。このままではアムステルダムのカフェ文化は消え去ってしまうだろう。