電力99%省く洗濯物ドライヤー

洗濯物を干すラックが回転し洗濯物を2時間で乾かすというスピード・ドライヤー(SpeedDryer)。その上電気使用量は通常のドライヤーと比較して99%も少ない。これを発明した今年72歳になる女性クレメンスさんは、開発から商品化そしてその成功までの道をNRC紙に語っている。

元美容師であるクレメンスさんは12年前、子供も夫も家を離れ、やっと自分がやりたいと思っていた「発明」に取り組む。彼女が考えたのは、回転式洗濯物乾燥ラックである。多くの人が洗濯物を干す場所がなく、電気代のかさむ乾燥機を使っているが、これを家の中の風で乾燥させれば2時間で乾くことに気がつく。掃除機のモーターを使い試作品を作ったが、音がうるさすぎる。そこで電気モーターを使ったところ騒音もなく省エネ効果もあった。

クレメンスさんはいとこのハイカンプさんとともに、製品の商品化に挑む。しかし、多くの企業の担当者が洗濯をしたこともない男性で、この製品に全く興味を示さない。9年過ぎたある日、サステイナブル・コンサルタントであるフルーン氏と接触、このときから急速に商品化と販売が進むようになる。

洗濯物の乾燥 1 サイクルあたり、スピードドライヤー のコストは約 3 セント、回転式乾燥機の 1 サイクルあたりのコストは 1.5 ユーロだ。乾燥に必要な時間はほぼ同じ。さらに生地が傷まないという利点もある。乾燥ラックを使用するとCO 2排出量が大幅に削減されるため、スピードドライヤー は「地球に持続可能な影響を与える」発明として、昨年Wubbo Ockels Innovation Awardを受賞した。 2024 年 5 月 1 日以降、回転式ランドリー ラックはすでに 6,000 台が販売されており、生産は拡大されている。 スピードドライヤーはオンラインで219ユーロで購入できる。