ドバイの巨大空港計画はスキポールやKLMの悪夢に

現在ドバイが計画しているのは、世界最大の巨大空港の建設だ。年間2億6千万人の利用者、400のゲート、敷地70km平米というとてつもない計画である。現在あるアル・マクトウム空港の拡張計画だ。もし計画が実現すると、欧州のハブ空港であるスキポール空港やKLMが痛手を被る可能性は高い。

空港拡張(第2空港)には350億ユーロの投資を行うという。ただ完成までには10年近くを要する。サイズや利用客をスキポール空港と比較すると、どれだけ巨大なのかがわかる。スキポールの面積は27.9キロ平米。利用客は6170万人。また現在世界最大の空港であるアトランタ空港の利用者は1億400万人だ。

ドバイ空港拡張計画の背景にはアジア諸国の経済発展があるという。経済発展に伴う航空業界の拡大は、アジアのモノや人の移動を押し上げた。これまで飛行機の旅は欧米人が主だったが、今後はアジアからの利用者が爆発的に増えそうだ。これがドバイ空港の野望の裏にある。さらにアジアと欧州、そしてアジアとアフリカを結ぶ中間地点としての位置づけも重要だ。

中東の野望はドバイだけでない。サウジアラビアやトルコにも同じような計画があるという。