オランダに住むアジア系住民の3分の1が差別を経験
東アジアや東南アジアにルーツを持つオランダ人の3分の1以上が、過去1年間に差別を経験している。中国系の場合、これが 52% まで跳ね上がる。オランダにおけるアジア人の差別について広範な調査が行われたのはこれが初めてである。
社会省の委託によりアムステルダム大学とティルブルグの高等専門学校などが実施した調査によると、差別は主に公共の場、教育、労働環境で発生している。
東アジアおよび東南アジア系住民2,500人のサンプルと36人の回答者へのインタビューから、容姿や姓を理由に言葉による虐待を受けたり、不利益を被ったり、拒絶されたりしたとされる人々の多数の例が浮かび上がった。路上や授業中に「チンチャンチョン」「春巻き(ルンピア)」「電車ハイジャック犯(1977年に起きたモルッカ系住民による事件)」「コロナ」などの言葉を投げかけられた人もいれば、犬を食べるという冗談を我慢しなければならなかった人、住居や仕事を見つける上で不利だった人など様々だ。
路上での罵声に関しては、通常加害者は男性(のグループ)であり、被害者は女性であるという。被害者はしばしば「中国人」と間違われるが、実際には別の出身であるとも調査結果は指摘している。
近年、オランダでは少数派に対する差別意識に関する大規模な調査が定期的に行われている。しかしながらほとんどがアフリカ系やアラブ系住民に対するもので、東アジアや東南アジアにルーツを持つ人々については無視されてきた。 「これは、アジア人がほとんど問題を引き起こさない『模範的な少数派』とみなされているという事実と関係があるのかもしれない」と研究者。