地方の田舎町の商店街、急に人気に

日本と同様オランダでも地方の町の衰退が激しく空き店舗が目立っている。ところが、ドレンテ州の小さな町であるクラジーナフェーン(Klazienaveen)の店舗はなぜか消費者を引きつけている。

1万3千人の人が住むこの町には約140軒の店舗があるが、どの店も繁盛している。町の人も自ら「ブーム」だとして驚いている。ドイツ国境から5kmというこの町には、ドイツからそしてフローニンゲンやエメンといった近郊の町からも買い物客が押し寄せている。

ドレンテ州南東部は、経済的には恵まれていない地域だ。昔は泥炭を掘って生活していた貧しい村が多い。クラジーナフェーンも例外ではなかった。隣の州であるフローニンゲン州では地方再生のためのマスタープランを開始し、4000万ユーロを投入し地域の活性化と社会生活の充実化を図った。それでも店舗はどんどんと姿を消し、消費者も大都市で買い物をするのが一般的になった。その中、このクラジーナフェーンだけが人を集めているのは、いったいなぜなのか。

ドイツの国境に近いので、消費者はオランダより一段と物価が安いドイツに食料やガソリンを求めて国境を超える。ところが、衣料関連では逆にドイツの消費者がこの町に押し寄せるという。

80km離れたフローニンゲンからわざわざやってきた買い物客によれば、大きなチェーン店はどこの都市にもあるが、小さなブティックや掘り出し物の衣料はクラジーナフェーンでの買い物が楽しいという。この村の成長は上記のマスタープランに基づいたものではない。 「それは自然に成長しただけだ。」クラジーナフェーンには多くの独立起業家がおり、支店が少ないことが成功の秘訣の一部だと専門家は見ている。「個性的なものを提供する小売業者は、さらに一歩を踏み出すことがよくある。」また、この小さなファッション村の駐車場が無料だというのも消費者を引き付ける要因になっている。