人手不足、移住者誘致が解決策に?

働ける人がすべて仕事についてもオランダの人手不足は解消できない。ITなどの技術分野だけでなく、あらゆる分野での人手不足はますます深刻化している。おそらくオランダで働きたいという移住者がこの解決策になるかもしれない。

住宅不足が続くオランダでは建設業でも人手が足りず、建設が進まない。定年になる人が増えているのに加え需要は増える一方だ。これはどの業界でも同じで、2023年末には41万人の職が埋まらなかった。

やむなく閉店する小売店、営業時間を短縮する飲食店が目立っている。技術系でも8万人が不足している状態だ。飲食店では3万4千人が足りていない。学校でも1万3千人の教師を常に募集している状態だ。そして最も深刻なのは医療介護の分野で6万4千人が不足している。

今後を見据えると、問題はさらに悪化する可能性が高い。移民を抑制したい極右PVV党を筆頭とする新政権(まだ連立交渉中)が樹立すれば、住宅不足などの社会問題の一因となると見られる外国人従業員、移民労働者、知識労働者の数を大幅に削減するよう求める声が高くなるだろう。

大手派遣会社ランスタッドによると、労働移民の抑制はテクノロジー分野で問題を引き起こすだけでなく、オランダは経済全体と医療、教育、建設などの多岐にわたる分野で活動が妨げられることになる。「知識移住者そして移民労働者が解決の一部となる。」とランスタッド社のトップは語っている。

同社は、園芸や流通センターなど外国人労働者が多い部門の閉鎖を求める声など、政治や社会の一部で出稼ぎ労働者、知識労働者、留学生に対する魔女狩りを懸念している。

「オランダにおける議論は完全に二極化しており、経済や社会的成果を維持するための移民の重要性は無視されている。このままでは、悪化の一方をたどるだけだ。看護師であれエンジニアであれ、この国の運営を維持するにはそれらの人材が必要だ。」と同社。次期政権がどの方向に動くかはまだ不明だ。

参照:2月14日付けHet Parool、CBS