オランダの大学、留学生を減らす方針に

これまでオランダの大学は、学士課程(Bachelor)での授業をすべて英語で行う学科を増やし、国外からの学生を受け入れることに積極的だった。オランダ語ができなくても英語の授業で学位が取れるということで、EU内だけでなく日本も含め海外からの学生が増大した。留学生は授業料がオランダ人学生の数倍であることから、財政的な目的もあった。しかし今回発表された合同ガイドラインでは英語での授業をオランダ語に切り替えたり、英語だけで授業を行う学科を減らすこという措置が含まれている。

この決定の背景には、留学生の増加による問題が続出したことがある。留学生増加で学生数が急激に増え、教室が足りなくなったり、講師陣の負担が増えたこと以外にも、学生向けの部屋が極端に不足していることなどが挙げられる。

今年度(昨年9月から)の大学1年生の学生は留学生が31%を占める。修士課程ではこれが33%にものぼる。2005年に比べると3.5倍である。

大学が計画している英語のみで授業を行う学科削減は、学士課程のみ。修士課程はこのまま留学生を受け入れる。学部では10−15%に収めたい意向だ。また英語のみの学科も、今後は留学生を増やさずオランダ人学生へ枠を広げるという。

ただし、能力がある学生はオランダの将来にとっても重要なので、決して門戸を閉じるというわけではないと大学側。とくに修士課程では英語で学ぶことは今後国際社会での活躍に重要であると、強調している。

Nikolay GeorgievによるPixabayからの画像