オランダへの移民制限でも、知識移住者は歓迎?

オランダでは知識(知的)労働者ビザという就労許可があり、いわゆる高度スキルを持つ人が企業で働くことができる。オランダ語で「Kennismigrant」、英語で「Highly Skilled Migrant」と呼ばれるこのビザを得るには雇用者、被雇用者ともに給与や教育レベルなどの条件が課せられる。

まだ組閣は完了してはいないものの、オランダは昨年の選挙で極右政党が第一党になったため、移民制限などの外国人排除が懸念されている。昨日、オランダ中央銀行総裁のクラース・クノット氏は国営放送の番組にて「知的移住者はオランダ経済にとって欠かせない」と述べて、この動きに懸念を示した。

クノット中央銀行総裁は、世界最大の半導体製造装置メーカーであるオランダのASML社トップのヴェニンク氏が移民制限に反対しているという発言を引用した。ASML社は国内外からの優秀な技術者なしでは存続できない。

クノット氏は、知識移住者は平均以上のオランダ経済と繁栄のために必須であると語っている。さらに欧州(EU)に背を向けることだけは避けるべきだと主張。これは次期政権が反EUであることに釘を刺している。「欧州に背を向けることは絶対に避けるべきだ。われわれは欧州統合と欧州以外の国から他に類を見ない恩恵を受けている。金の卵を産むガチョウを殺すべきではない」と述べている。