ウィルダース政権でオランダはどう変わる?

現在連立政権の調整が行われているが、極右のウィルダースの率いるPVV党に、VVD党(自由民主党)、NSC党(新社会契約党)、BBB党(農民市民運動党)の中道右派政党が連立政権に加わると、いったいどのようなことになるのか。VVD党は今のところ連立には加わらず裏から支えるという方針を表明している。

1. 憲法:基本的権利

これまで20数年間の間、ウィルダース氏はコーランの禁止とモスクの閉鎖という攻撃的で過激な政策を提唱してきた。しかし、選挙結果が発表された日、「憲法は尊重しなければならない」と述べ、PVVの計画は憲法の自由に反していることを認めている。ただ「モロッコ人を減らせ」というキャンペーンについては未だに撤回する気配はない。

2.移民/亡命希望者
PVV、VVD、BBB、NSC はいずれも、アプローチは違うもののオランダに来る人の数を減少させることを望んでいる。 その中でもPVVは最も急進的で、国境の閉鎖、亡命の全面停止、オランダの国際条約からの離脱、ベッドとシャワーとパンのシェルター(亡命希望者のための限定的なシェルター)の禁止を求めている。

BBBは、年間15,000人の亡命上限を望んでいる。また住宅のステータス保持者(難民認定された人)の優先権は廃止されるだろう。NSCは年間最大 50,000 人の移住残高を提唱している。これは残高なので、新規参入者から出国者を差し引いたもの、留学や労働移民も含まれる。 VVDもこのような制度の再導入に賛成しており、一時的な亡命停止の可能性を主張している。 VVDは永住許可を廃止したいと考えている。

PVVは他の3党よりもはるかに急進的な計画を持っているが、選挙前からウィルダース氏は軟化し妥協する用意があるように見えた。彼は亡命希望者をゼロにしたいと考えているが、それがすぐには不可能であることを理解している。

3.住宅不足/ 建設
今回の選挙の最も重要なテーマの 1 つである住宅不足。オランダは39万戸の住宅不足に直面している。どの党もより迅速に構築したいと考えており、違いはほとんどない。 VVD は自然の中での建築が可能であるべきだとし、PVV はキャンプ場の家での永住が可能であるべきだと主張。 BBBも、古い厩舎を住宅に改造したり、老人ホームを復活させたりするなどの「創造的な解決策」も提唱している。 NSCは雇用主が従業員のために住宅を建設することを望んでいる。

4.最低賃金/社会保障/財政
多くの当事者が最低賃金の引き上げを望んでいるが、 CPB によると、VVD の法定最低賃金は 5% 引き上げられ、2028 年には平均時給 16.70 ドルになる予定だ。他党は具体的な数字を示していない。

ウィルダース氏は、国民年金の年齢を65歳に戻し(年間数十億ユーロの費用がかかる)、医療費控除を廃止し(さらに年間60億ユーロの費用がかかる)、食料品の付加価値税を0%に引き下げる計画を持っている。 この財源はどこから取ってくるのかについてPVVは言及していない。

画像:Zachtleven fotografieによるPixabayからの画像