オランダの極右勝利について各国のメディア

オランダの総選挙での極右党の勝利は欧州そして世界を震撼させた。

フランスのフィガロは「出口調査の結果が選挙結果になるとしたら、ウィルダース氏の勝利は突然の右への方向転換になる。」同じくフランスのルモンドは「本当のショック」だと書いている。

隣国ベルギーのVRTは「ウィルダース氏は勝利の直後に演説を行い、各党に連立を呼びかけた。オランダでは大抵の新党はできては消える運命なのだが、ウィルダースの自由党はしっかりと地に足をつけたようだ。」

イギリスでも、オランダの政治を揺るがす結果について話題になっている。 「ウィルダース氏は究極の勝利に向かっている。」 ガーディアン紙は「選挙の大逆転」を報じているが、ウィルダース氏が組閣で勝利できるだけの十分な支持を他党から得られるかどうかはまだ不透明であると述べている。

イギリスのBBCは、「反イスラムのポピュリスト」は、「劇的な勝利」に向かって進んでいる。フィガロ紙と同様、BBCはヨーロッパへの影響について懸念している。 「オランダは欧州連合(EU)を設立した国の一つであるため、ウィルダースの勝利はヨーロッパ全土に衝撃を与えるだろう。同氏はEU離脱を問う国民投票の実施を望んでいる。」

ドイツのドイツ・ビルト紙では「歴史的」という言葉が使われている。 「マーク・ルッテ政権の13年間を経て、選挙前には右翼ポピュリスト、VVDと労働党・緑の党連合間で接戦が予想された。」ビルト紙の記事の見出しがすべてを物語っている。「オランダの右翼への地すべり」

同じくドイツのライン・ポスト紙は、ウィルダース氏が選挙の大きな勝者であるとし、連立交渉は困難になる可能性があると報じている。同紙はまた、オランダはこの結果に衝撃的な反応を示したと書いている。

米国でも今回の選挙を「衝撃波」とみている。ニューヨーク・タイムズ紙はウィルダース氏を「政治的挑発者」と評している。 「彼には移民とイスラム教に対して反感を持った経歴がある。その結果はヨーロッパ中に衝撃を与えるかもしれない。」

ワシントン・ポスト紙は、ウィルダースの勝利を「第二次世界大戦後、オランダにおける最大の政変の一つ」と呼んでいる。 

放送局CNNは、反 EU または反移民の指導者も政権を握っているスロバキア、イタリア、ハンガリーと比較している。 「ウィルダース氏はこれ以上ウクライナに武器を供給したくないとしばしば語っているが、同氏が連立するはずのどの政党もこうした考えを共有していない」と書いている。オーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルド紙は、この「金髪の爆弾」について「最も有名な曲政治家のひとり」だと紹介している。

右翼政治家がトップにいる国の反応は違う。ハンガリーの大統領オーバン氏は、X(ツイッター)に「風向きは変わった。おめでとう!オランダの選挙に勝ったヘルト・ウィルダース」と投稿している。スペインの右翼ポピュリスト政党VOXの党首であるアバスカル氏もX(ツイッター)で、「ヨーロッパは、街中でそして選挙で、自分の国、国境そして権利を守ろうとする方向に動いている。」と書いている。反移民政策を唱えるイタリアの副首相サルビーニ氏も「PVV党の指導者でありリガ同盟の歴史的同盟者である私たちの友人、ヘルト・ウィルダース氏に、この並外れた選挙勝利を祝福する。新しいヨーロッパは可能だ」と投稿した。

フランスの右翼政治家のマリーヌ・ルペン氏ももちろんPVVの勝利に満足している。彼女は「素晴らしい業績」だと語った。

(情報:RTLNieuws)