オランダ地殻変動? 極右PVV党が選挙トップに

昨日行われたオランダ総選挙(下院150議席)で、ウィルダース氏が率いる極右政党のPVV党(自由党)が開票97%の段階で37議席を取り大勝した。前回の連立政権を担っていた中道右派のVVD党(自由民主党)D66(民主66党)CDA党(キリスト教民主党)は大きく議席を失った。これに対し、新規に結成された労働党と緑の左派党連合、CDA党から脱党したオムジヒト氏が立ち上げたNSC党(新社会契約党)が躍進する結果となった。

ヘルト・ウィルダース氏の率いるPVV党(自由党)は、これまで一度も連立政権に参加できなかった極右政党。反イスラム、反移民、反EUを掲げ、欧州他国の極右政治家と連帯関係にある。今回の選挙で一番の焦点となったのは難民と移民問題である。住宅不足問題も難民が優先的に住居を確保しているからだと現状に不満に感じている人たちが、反移民キャンペーンを繰り広げるウィルダース氏を支持した。

画像(Nu.nl)暫定結果

ウィルダースの大勝は事実であり変えようがないのだが、問題は今後の組閣である。ウィルダース氏のPVV党を中心に連立政権を組織しなければいけないのか、というのが多くの人が抱く懸念である。ウィルダースの提唱する「コーランとイスラム寺院の廃止」などはオランダの憲法に反するもので、これが他の党との連立を阻む要因になるという見方もある。

ただ、これまで反PVV党を唱えていたNSC党も、PVV党の大勝を目の当たりにし、連立に加わる可能性も示唆している。これが他の党に及ぶ可能性もある。VVD党の党首も連立の可能性を否定していない。こうなると極右ウィルダース氏が首相となるPVV、VVD、NSC、BBBの連立政権が立ち上がる可能性は高い。