新しい法律で賃貸物件は10万戸減少か

住宅不足を解消するという目的で政府が新しい賃貸法律を制定したが、政府の思惑に反し不動産業者は一斉に賃貸物件を売りに出している。不動産専門アドバイザーCBREによれば、少なくとも10万戸の賃貸物件が採算に合わなくなっているという。

金利の急激な上昇と経済の低迷により、2万から3万戸の不動産業者による賃貸物件が失われる可能性がある。政府の措置は賃貸住宅の新築資金調達にも悪影響を与えるだろう。

アムステルダムを例にとると、現在10万戸が個人の大家だがこのうち21,000戸は売りに出されると予想される。アムステルダムの60平米の平均価格は510,000ユーロ。家賃収入は月に1700ユーロ。ところが政府が打ち出した新しい規定では、家賃は947ユーロに抑えられる。年間の利回りは2.2%と米国国債の5%より大幅に低い。これでは採算が合わないため、所有者は賃貸を止めて売りに出すという具合だ。

調査によると、すでに四半期ごとに1,300戸の賃貸物件が持ち家として販売されているために消滅しているという。しかし、それはまだ嵐の前の静けさだ、と不動産アドバイザーは警告する。 「アムステルダムを含む多くの都市では、一時的な賃貸契約が利用でき、その後家賃が調整されるため、現在も家賃利回りは依然として良好だ」とアドバイザー。 「しかし、来夏からは一時賃貸が禁止されるため、住宅投資家は住宅を売却することを選ぶだろう。」

オランダに移住する人、学生、駐在員、大都市で仕事を探したい人たちにとって、さらに困難になるだけだ。大都市には医療や教育などの重要な職業に従事する人たちがいるため、これは大都市の経済にも影響を及ぼす可能性がある。