ピンクのクロワッサン、商標権の保護難しく

オランダでよく見かけるトンプース(Tompouce)というお菓子をご存知だろうか。ミルフィーユの中にカスタードクリームが挟まり、上部にはピンク色のアイシングが乗っているペストリーだ。2020年に、このコンセプトをクロワッサンに使用したクロンプース(Cromcouce)という菓子パンが登場する。クロワッサンにカスタードをはさみ、上部にピンクのアイシングを施したものだ。これを最初に作ったのがユトレヒトのパン職人であるウーリカ・メーニグさん。

このクロンプースはその後、全国のパン屋やスーパーマーケットで売られるようになった。ウーリカさんは、このお菓子名を商標登録しており、スーパーなどが無断で同じものを作りこの名前を使うことは許せないと、弁護士を通して書簡を送っている。

パン屋の中には、ユトレヒトのパン屋ウーリカ・メーニグさんとのコラボを選んだ人もいる。例えば、ベーカリーチェーン、ファン・マーネン(Van Manen)は今月、アムステルダムのプリンセン運河に「ハウス・オブ・クロムポウス」ポップアップストアをオープンし、現在はライセンス保有者となっている。つまり許可を得ているということだ。

ただ商標登録専門弁護士は、この訴訟はウーリカさんにとっては勝ち目がなさそうだと見ている。「クロンプースという言葉は主に製品の説明であり、トンプースとクロワッサンを組み合わせたもの。消費者の認識では、それはブランドの名称ではない。ランド名は特徴的でなければならない。」という。「クロワッサンにクリームが入っていて、その上にピンクのアイシングが施されているという製品の背後にあるアイデアを保護することはできない。アイディアの権利を主張するのは難しい。」と専門家。