ベルギー フランドル絵画の傑作「ゲントの祭壇画」修復スケジュール

ゲントの聖バーフ大聖堂にあるファン・アイク兄弟作の「ゲントの祭壇画」は複数のパネルで構成され、高さ3m75cm、幅5m20cmの大作で、中でもその中心にあるキリストの復活を暗示した「神秘の子羊」は初期フランドル絵画の最高傑作とされている作品だ。これはルネッサンスの巨匠たちが登場する以前に試行錯誤の末に、油彩絵の具を生み出し描かれた人類初の油彩画で、その細部にまで精緻に描かれている様には息を呑むほどの迫力がある。

この現在も人々を魅了して止まない作品は、開扉時の左下段翼部分にあたる「正義の審判者」が1934年に盗難にあい、行方がわかっていない。この部分には複製画がはめ込まれている。
現在この祭壇画は2012年より約5年間にわたり修復作業に入っているが、全体のパネルが3分割されて作業が行われるため、大部分は大聖堂に展示されたままの状態で観ることができ、修復中のパネル部分には白黒の複製画がはめ込まれている。 大聖堂への入場は無料だが、祭壇画は、日本語のオーディオガイド付きで4ユーロで観る事ができる。修復作業風景そのものは、ゲント美術館(MSK、The Museum of Fine Arts in Ghent house)で見学することができる。
修復作業のスケジュールは下記の通り。
第1段階 2012年10月~2014年10月:祭壇画の扉部分、外側のパネル
第2段階 2014年10月~2016年4月:祭壇画内側、上段部のパネル。中心部「父なる神」のパネルを含む。
第3段階 2016年4月~2017年10月:祭壇画内側、下段部のパネル。中心部「神秘の子羊」のパネルを含む。

Sint Baafs Kathedraal Gent