英国のEUを脱退でオランダは経済的な打撃

2月18・19日の欧州首脳会議で、英国政府が求めていた欧州連合(EU)の改革案について合意したことを受け、キャメロン英首相は20日、英国のEU加盟の是非を問う国民投票を6月23日に行う方針を表明した。オランダは英国のEU離脱が実現されると経済面での影響が大きいため、これを懸念している。

フランスの保険会社ユーラーへルメス社が発表した試算によれば、オランダは年間367億ユーロの輸出の4.3%を失うことになる。6月23日に予定されている英国の国民投票でEU離脱が決定すると、オランダ以上に経済的な打撃を受けるのはドイツで、輸出総額の6.1%の減額となる。イギリス自体も経済的な影響を受けることになり、今後4年間で2400億ポンドの損失を被る可能性がある。

同(貿易)保険会社によれば、英国のEU離脱による輸出減少で打撃を受けるのは、オランダ、ドイツ、フランスそしてアイルランドの4国。産業別では、金融、車、機械、化学、農業、繊維、エネルギー部門での影響が大きい。ユーラーヘルメスの試算は、EUとイギリス間での資本、製品、サービスそして人の自由な動きという現状を基本に計算されている。もし英国が離脱すれば輸入関税などの導入で貿易障壁ができ、これがEU各国での輸出を妨害することで経済的な打撃を受けることになる。