ロッテルダムの橋、ジェフ・ベゾスのスーパーヨット通過のため解体

ロッテルダムにはエラスムス橋など有名な橋がいくつかあるが、その中でも歴史的象徴となっているコーニングス橋(別称 デ・ヘフ)が巨大ヨット通過のためにこの夏解体される。このスーパーヨットは、アマゾンのオーナーであるジェフ・ベゾスがオランダで建造中のもの。

ヨットはロッテルダム近くのアルラセルダムにあるオセアニコという造船所で建造中だ。建造費4億3千万ユーロ(約550億円)のこのヨットは世界最大と言われている。このヨットが外洋に出るにはどうしてもデ・ヘフ橋を通過せねばならないのだが、マストがこの高さ40メートルの橋より高い。そこでベゾスはロッテルダム市に橋の一時的解体を要請した。費用はオセアニコ社とベゾスが折半するという。

もちろん再建されるとはいうものの市は橋の解体を拒んでいたが、ロッテルダムの造船業と雇用を守るためにベゾスの要請に同意した。デ・ヘフ橋はロッテルダム市にとって特別な意味がある。1878年に完成したこの橋は、第二次世界大戦で崩壊したロッテルダム港の再建のために列車運行用に使われた。1993年には鉄道橋の役目は終わったが、歴史的建造物として保存することが決まった。こういった経過があるため、橋の解体は一時的とはいえ市にとっては複雑だ。

オランダの造船業者(船大工)は、次々にスーパーヨット建造に乗り出している。長い間に培ってきた技術を活かせる上、世界中の億万長者たちが競ってスーパーヨットを建造しているので、オランダの造船業者にはまたとないチャンスなのだ。市も産業を守るために橋の解体は認めざる得ないようだ。