セージのコラム Vol.9 「アルビって知ってる?」
毎年ね、あてもなくロードトリップをするのですよ。フランスに。
ANWB(日本のJAFのような組織)の会員特典で、欧州各国のマップを毎年無料で貰えるのですが、それがまぁ本当によくできていて、観光客目線でどの街が訪れるべきなのか、どの国道のどの辺りが眺めが良いのか瞬時に分かるんですよ。
その日は南仏モンペリエ近くのルジャンという小さな村に滞在してたのですが、2週間の旅程の折り返し地点で、西側を回りながらゆっくりオランダに向かうことにしました。
今日は風光明媚なドルドーニュ地方のどこかで泊まる目処をつけて、お昼休憩は中間辺りにあるアルビ(Albi)という街に目をつけました。
ちなみに都市名に赤い枠で囲んであるところが、まずまずの見所あり!のサインで、更にピンクで背景が塗られていたら最上級!の意味。
で、Albiにはピンクの背景付き!なんだかオランダの歌手でそんな名前の人いたよな(Alib)、と思いつつ、聞いたこともないその地を目指すことにしました。
お昼を回った頃にようやく到着。国道からそのまま標識に従って導かれた市心のパーキングは地下で、何やら新しい感じ。駐車して地上に上がると目の前は素っ気のない、のっぺりと何もないリノベしたての広場でした。個性を全く感じさせない無機質なタイルを敷き詰めた味けのない感じ。ちょっと残念な感じ。
フランスの田舎町って、カフェやレストランは14時頃になるとしっかり閉店モードになるので、ぼやぼやしてるとお昼を食べ損なう恐れがあったので、目の前のカフェでとりあえず昼食を取ることにしました。

- 普通に美味しかった、サーモンポケ
今回のフランス旅行で気づいたのが、あちこちのカフェでサラダのメニューの中にポケボール(ハワイ風の丼もの)があったこと。友人を家に招いてちらし寿司を作ると”ライスサラダ“と言って、喜ばれたことがあったので、ここでもサラダ扱いなんだぁ、と思ったりもして。
パートナーが選んだのはどうやらローカルフードっぽいネーミングのサラダで、よく翻訳もせずに直感頼りだったのが間違いの元で、ホルモンっぽい不気味な様子の煮込み肉がドンとサラダに載って出てきて怯んでました。忘れた頃にこの失敗するんですよね。フランスだからと言ってなんでも口に合うわけではないのです。
さてさて、食事も終わり、ちょっと市内を見てから先に進もうか?ということで、どうやら大聖堂がショッピングストリートの向こうにあるらしいので、そちらに向かうことにしました。
ここまで普通にモダンな広場やショッピング街だけを目にしていたので、その先に何があるのかは全く知らず、しかもそれ程期待もしてなかったのが正直なところ。
ところが商店街の終わりに近づくと何やら建物の合間から立派な教会の尖塔が見え隠れし始めるわけですよ。一気に瞳孔が開いて、早足になったのを覚えてます。

- あの巨大な建物は何?
そして現れたのが、想像もつかない形状の大聖堂とそれに並ぶ宮殿もペアのようなデザイン。よく漫画で顎ガーン、目玉ビヨーン、みたいな驚き方の表現がありますが、まさにその気分でした。

- なんだこの形状は?そして右隣が宮殿

- 内部もブルーでゴージャス
大聖堂の内部の青を基調にしたゴージャスな設えにため息をつき、またお城を回り込むとこれまた流麗な隣町の川辺の景色が広がり圧倒。ちょっとお昼の合間につまみ喰いする程度の滞在には勿体無い素敵な街でした。

- 向かい岸の風景も美しいこと!
よくあるフランスの小さな村って、小高い丘の上に教会やシャトーが建っていて、遠くからでもその眺めから街の雰囲気が想像できるのが普通だと思っていたので、ここのように全く何があるのか知らずに出会した時の驚きが、より感動を増したのかもしれませんね。
後で知ったのですが、街は「アルビの司教都市」として堂々の世界文化遺産登録。サント=セシル大聖堂はレンガ作りとしては世界最大級の建物とのこと。石材の乏しい地域だったので全てレンガで作られたのが、異様に見えた理由なのかも。
そして画家のロートレックはこの地で生まれたとのことで、ベルビ宮殿は今はトゥールーズ=ロートレックの美術館として使われており、1060点もの世界最大級のコレクションがあるのだとか。

- ロートレック美術館のあるベルビ宮殿
自分の無知さを曝け出すのは恥ずかしい限りですが、自分が聞いたことがないというだけで、お宝は実はあちこちに隠れているのを実感したアルビ訪問でした。
(文と写真 by セージ)