温暖化でオランダでのマダニ増加、ライム病の危険

国立衛生健康環境研究所(RIVM)の調査によれば、オランダでのマダニ咬傷数が過去10年間で30%増加し、150万件となった。RIVMとワーへニンゲン大学共同で作成したウェブサイトである「マダニレーダー」tekenradar.nlは、マダニ咬傷数や場所を示している。これによれば、オランダの東部での発生が多く、6月と7月がマダニの活動ピークである。

気候温暖化に伴いオランダでのマダニの繁殖が増加している。さらに6月や7月は野外で活動する人が増えているため、咬傷数も増加する。マダニは森林だけでなく、公園やゴルフ場そして子供の遊び場にも生息する。

マダニ咬傷を予防するために、「Nature Today」というアプリが開発されている。自分がいる場所でマダニが発生しているかどうかを確認できるもの。マダニに咬まれても単に赤く腫れるだけで病気にならない場合が多い。しかし、スピロヘータ科ボレリア属の細菌であるライム病ボレリアを持つマダニに咬まれるとライム病を発症する。オランダでは毎年27,000人がライム病に感染している。この数は20年前の4倍である。このうち1500人は直後に筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、倦怠感などの激しい症状が出ているという。感染から数ヶ月~数年を経た「慢性期」には、慢性萎縮性肢端皮膚炎、慢性関節炎、慢性脳脊髄炎などが出現する。大抵の場合は抗生物質で治療が行われる。

Nature Today