オランダ、食品の22%が廃棄処分。これを減らすため産業界でも動きが

オランダでは食料の22%、重さにして200万トンが毎年廃棄処分されている。このほとんどが消費者によるものだが、生産者や小売業界でも大量に食品を廃棄している。しかし、最近では食品の廃棄を減らそうという動きが盛んになり、産業界でも改善を初めている。
例えば、スーパーマーケットチェーンのLIDLでは、卵を産まなくなった雌鳥のハンバーグを2個2.49ユーロという破格値で提供。通常では廃棄処分になる雌鳥もひき肉にすれば十分食べられる。オランダ北部オンストウェッデにある農場では、通常では廃棄処分にする不揃いな形のかぼちゃを12万個も流通させた。廃棄処分になりそうな野菜をスープやソースなどに加工して流通に乗せる企業「フェルスピリングスファブリーク」によれば、5年前にこの事業を開始した当時はほとんどの小売は興味を示さなかったという。ところが今年になり、大手小売スーパーなどが購入を開始し、事業が軌道に乗り始めている。

これらの事業も廃棄処分される食品の量から見れば大海の一滴だが、最近では消費者の意識も高まるとともに、政府からの応援もある。また先の廃棄食品加工会社はワーヘニンゲン大学の研究所と共同で「再生可能な食品連鎖」の研究に取り組んでいる。廃棄処分になりそうな材料を使ったレストランも昨年話題を呼んでいた。来年には、食品廃棄を減らすためのベンチャーがますます増えそうだ。