オランダ社会評議会、介護休暇8週間を提言
オランダでは介護を家族や友人の間で無償で行うことが推奨されている。2015年からはオランダの介護制度が大幅に改革され、「まずは自分たち(マンテルゾルフ)で何ができるか」を検討し、それでも足りない部分を公的サービスで補うという仕組みがより強化された。だが、仕事をしている人が近親者の介護をするのは大きな負担となっている。
雇用主、従業員、および有識者メンバーで構成されるオランダ社会経済評議会(SER)は、近親者介護のためにすべての労働者が8週間の休暇を取得でき、政府がその間の所得の70%を支払うべきだと提言している。SERは、この制度が現行のケア休暇の利用率が低い現状を踏まえ、「マンテルゾルフ(Mantelzorg)」(家族や身近な人への無償介護)と仕事の両立を容易にすると主張しており、高齢化による介護者不足への対策として、代替ケアの供給拡大や関連制度の簡素化も推奨している。MantelzorgNLの会長は、この提言が介護を個人ではなく社会全体の課題として位置づけている点を評価している。
オランダでは現在500万人が近親者の介護を行い、うち200万人が仕事と両立しているが、高齢化によりこの数は増加すると予想されている。SER会長は、この問題は社会全体の課題であり、政府はもはや目を逸らすべきではないと述べている。労働者と介護の両立を支援するため、SERは介護休暇制度の活用を促進し、代替ケアの提供拡大や関連制度の簡素化を提言している。SERはこの制度にかかる具体的な費用を算出していないが、何もしなかった場合の社会的・経済的コストは大きいと指摘している。
Mantelzorg: (マンテルゾルフ)は、病気、障害、高齢、精神的課題などを抱える家族、友人、隣人に対し、定期的に無償で行う介護・支援のこと。通常の助け合いを超え、日常的な家事支援、身体介護、伴走・管理、あるいは孤独を防ぐための付き添いなど、多岐にわたるサポートを含む。 2015年にオランダの介護制度が大幅に改革され、「まずは自分たち(マンテルゾルフ)で何ができるか」を検討し、それでも足りない部分を公的サービスで補うという仕組みがより強化された。
現在では、オランダの全人口の約3分の1(約500万人)が何らかの形でマンテルゾルフに関わっているとされており、国の介護制度を支える重要な柱となっている。