世界経済フォーラムとNATO

スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラム(WEF)は、今年も各国首脳や金融界、学術界の要人ら約3000人が集まる国際会議で、60人の政府首脳が参加している。例年は経済が中心テーマだが、今年は世界情勢の不安定化を背景に、政治的課題がより前面に出ている。テーマは「対話の精神」で、分断が進む国際社会における解決策を模索する場と位置づけられている。

創設者のクラウス・シュワブ氏は不祥事調査を受けて昨年退任し、今年は参加していない。専門家による「グローバル・リスク報告書2026」では、武力衝突や経済摩擦の拡大など、世界が「嵐のような時代」に入るとの警告が示された。

注目の中心は、2期目に入った米国のドナルド・トランプ大統領で、ウクライナやガザ情勢、欧米関係など多くの国際問題に影響力を持つ存在として、水曜日の特別演説に関心が集まっている。一方、EUのフォン・デア・ライエン欧州委員長は、地政学的緊張を背景に欧州の自立強化を訴えた。

このほか、フランスのマクロン大統領や中国の何立峰副首相などが特別演説を行い、NATOのマルク・ルッテ事務総長は欧州の防衛力を巡る討論に参加する。元オランダ首相ルッテ事務総長は現在非常に重要な役割を担っている。現在トランプ大統領の下で、NATOの結束は維持できるのかが不透明になっている。その中でルッテ事務総長は、欧州諸国に対し防衛負担の分担と協調の必要性を訴え、 米国との関係が揺らぐ中でもNATOを機能させる調整役として、米国が欧州の安全保障にどこまで関与するのかを探っている。