オランダ発の修理カフェ、世界で大ブームに

最初の修理カフェ(Repair Cafe)がアムステルダムに登場したのは2009年10月18日。それから13年で修理カフェは世界40カ国2500軒に増えた。

修理カフェのコンセプトはシンプルだ。壊れた電気製品や服を修理カフェに持っていくと、そこで働くボランティアが修理の方法を教えてくれ、いっしょに修理する。これまでは壊れたら捨てていたのが、まずは修理してみることで、廃棄物が減り、希少な資源を節約できる。動かなくなったと修理に持ち込まれるものは、たいていが掃除や異物の排除で修理完了するものが多いという。

修理カフェの創立者ポストマさんは、「新しい修理カフェの開店方法」というマニュアルを5ヶ国語で作成し、現在ではハワイやインド、ブラジルなどでも利用されているという。

オランダで一番大きな修理カフェはロッヘム(Lochem)にある。1ヶ月に4日ほどオープンしていて、誰でも壊れたものを持ち込める。働いている人は引退した人たちがボランティアでやっている。

修理して使うのは、サステイナブルな世界を築き、サーキュラー・エコノミーを推進する。さらにもうひとつのメリットは、社会的なコミュニケーションだ。一人暮らしになった高齢者などがカフェに集まり往年の技術を使って修理方法を教えて、社会とつながる。また壊れていないが古くなったラップトップや携帯電話などが企業から集まり、これを貧しい人たちに無料で配布もしている。

修理カフェは基本的に無料。働く人もボランティアだ。家賃などは寄付でまかなっているが、経営は厳しいため、政府からの支援を仰いでいるという。(画像:Repair Cafe)

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