オランダのガソリンはなぜ欧州で最も高いのか?

天然ガスそして電力代の大幅値上げだけでなく、ガソリン代も急激に上がっている。オランダの高速道路で給油するとリットルあたり2ユーロを超えるところも出ている。これほどガソリン代が高いのはオランダだけなのか?なぜこれほど高いのか?

実際オランダのガソリン代は欧州で最も高い。世界で見ると、香港に次いでなんと2番めに高いのである。欧州ではオランダに次いでイタリア、フィンランド、ギリシアなどが上位に来る。隣接するドイツやベルギーは比較的安く、例えば50リットルを給油するとオランダより16ユーロも安くなる。国境付近に住んでいる人は少しだけ走って隣国で給油するほうがかなり経済的ということになる。

もちろんオランダ国内でも住宅地や無人スタンドでは高速道路沿いのガソリンスタンドより13%ほど安い。なかなか1リットルあたり2ユーロという心理障壁となる価格は超えないはずだ。

世界平均のガソリン代がリットルあたり1.04ユーロであるのに対し、オランダではこの倍近い。なぜオランダでこれほどガソリン(ディーゼル、LPGを含む)代が高いのか? 答:単に税金が高いからである。価格に関わらず1リットルあたり81セントの物品税が課せられている。税金で最も大きいのがこの物品税だ。現状ガソリン代を100ユーロとするとのうち17ユーロが付加価値税(VAT, BTW)そしてなんと39ユーロがこの物品税(Accijn)である。ディーゼルやLPGの場合はこの物品税は若干安くなる。ガソリンにかかる物品税は車を減らす政策の一環として1991年に導入された。この税金はリットルあたり81セントと固定されている。これに対し付加価値税は全体の価格の21%と流動的なので、原油が上がれば比例して上がっていく。

世界のガソリン代比較