セージのコラム、その8: 旅にかかせないもの 〜カメラ〜
旅に欠かせないものって何?
やっぱりカメラだなぁ。

- ここしばらく愛用しているカメラ
学生時代初めて海外に出た時の写真を探しても出てこなくて、もしかしたら実家の納戸に眠ってる写真達がいるのかもしれないけれど、よくよく考えてみるとアメリカを旅した時にカメラを持参していた記憶が全く、ない。
ただ、グラン・カナリアに飛んだ時、生涯初の一眼レフを手に入れたのだ‼︎多分、動機は不純でそれについてはここでは多くを語るまいが… だが、その後の旅行にはカメラはいつも重要な友となったのは事実。

- 一眼レフビギナーの頃のお気に入りの一枚
カナリアの大砂丘はカメラにとっては大敵で、砂が舞う中でのレンズ交換には細心の注意が必要だったし、実際レンズのねじ込みの部分に砂を噛んでガシガシした嫌な記憶もある。
以来、本格的に操作方法を学ぶ事もなく、独学(“学“ってほど、知識を詰んだわけでもないが)で、コンパクトではないカメラがいつも好きだった。露出とかシャッタースピードとかも大して気にせず、ファインダーを覗くことからある種のエクスタシーを感じられてたのかもしれない。
時は進み、今ではスマホで当時のフィルムカメラを簡単に凌ぐ画質の写真を撮ることはできるようになったが、やはりファインダー越しに構図を決めてシャッターボタンを押すあの時の”音”の醍醐味に代わるものはない。
しかも当然のことながらフィルム写真は現像して初めて結果が得られるわけで、シャッターを押した瞬間にはそれが絶妙のタイミングだったのか、どうしようもない駄作だったのか分からないわけである。しかも1枚現像するのに何十円かのコストもかかるわけで、デジタル世代には全く理解し得ない世界だったわけだ。
こんな話が通じない世代がいること自体信じられないくらい時の流れは早くて、多分現像が出来上がった写真を取りにお店に向かう足取りのウキウキした気分とかは、今の世代には想像もつかないことなのだと思う。
現像にももちろんコストはかかったわけだが、フィルムにもコストは掛かってたのですぞ、若者達!一本のフィルムに24コマ撮れるものとか、36コマ撮れるものとかあって。節約のために1コマに2枚撮れるように工夫がされたカメラの機種も出たりしたよね。
高校や大学の体育祭や文化祭、遠足で写真を撮った時はサンプルのアルバムを回覧して、焼き増しの数かぞえて、お金徴収して分配してた思い出も。
そんな我々アラ還世代の幼少期はまだカラーの写真はなくて白黒であったし。いつ頃だろうカラーになったの?小学校あたりだったのかなぁ?
まぁ、そんな話は置いておいて、確かに今のスマホでは一眼レフに負けず劣らずの写真が撮れるようになったわけだが、自分の中ではカメラはやっぱりある種のこだわりがあったのだ。

- 撮影時にカメラでエフェクト掛けたりして遊んでたなぁ。
と、実はここまではかなり以前に書いてあったのだが、どうもこの先話がうまく続かずに、しばらく書きかけのままお蔵入りとなっていた。
が、実は2025年の夏季休暇で、この書きかけのコラムが劇的に盛り上がるエピソードとなるのだ。というか、まさに今まだ旅の途中であるのだが…
以前にも触れた通り、夏の旅行はパートナーとフランスにロードトリップをすることがここしばらくの定番になっている。オランダを出発したのは4日前なのだが、なんと大事な大事な旅の友であるカメラを持って出るのを忘れてしまったのだ。
出発する時には、パートナーに「火の元、戸締り大丈夫だよね?」なんて、余裕な態度でいたのに、車上の人となって1時間ほどした時に、カメラを置いてけぼりにしたことに気がついたのだ!
まさか、これからまた取りに戻ろうなんて言い出せず、ズドーンと胸の奥に鉛の塊ができたような気分になった。
今年は今まで行きたかったけど、訪れることのなかったベルギーのデュルビュイ(Durbuy)を一泊目のロケーションに決めた。

- デュルビュイのホテルの部屋からウルセル城が見えた!
噂に聞く通りの可愛らしい街並みを前にして心躍る気分も半減。なんだか妙に手持ち無沙汰なのが寂しくもあり。スマホの高機能なカメラであちこち写真は残せるのだが、やっぱりそれでは満足できないのだ。

- デュビュイの夜の風景。スマホなら暗いところもラクラク
それから三度の夜を迎えたが、ベッドの中で夜中に目が覚めるたびに、今でもなんとも言えない冷たい傷の痛みのようなものを胸の底にチクチクと感じるのだ。
ということでこれからまだ10日程旅は続くわけだが、もしかしたらこの痛みとの戦いになるのかもしれない、なんて考えるとまた少し落ち込む。
ホテルに着いて荷解きしていると、ケーブル類を入れた袋の中からカメラのバッテリーのチャージャーが出てきてまた小さなため息が出た。
今年の南仏はいつにも増して太陽が眩しく、30度を超える日々が続いている。まさに魅惑的な夏のバカンスにうってつけの気候が続いているというのに…
そうそう、今回は初めて途中スイスを通過する経路を選んだのだが、フランスからスイスに入る国境で俄かに物々しい気配になり、”あれ?パスポートの検査、もしかしてあったっけ?”と、念のためにカバンに手を伸ばした時に、それさえ忘れて来ていたことに気がついた!我ながらなんというマヌケさ。
結局シェンゲン加盟のスイス入国時にパスポートを提示する必要はなかったものの、いまはプールサイドでのんびりタイプしながら、”忘れ物には気をつけよう!”と改めて心に誓うばかりだ。

- 南仏はまだまだ痛いほどの日差し
(文と写真 by セージ)