オランダ、今年の冬はガス危機か
オランダでは、今冬に向けた天然ガスの貯蔵量が目標を下回る見通しとなっている。8月24日時点のガス貯蔵施設の充填率は約44%で、2023年の同時期の94%、2025年の63%から大幅に低下している。
Gasunie(オランダガス連合)は、冬に向けて115TWhのガスを備蓄する目標を設定していたが、達成は困難になった。EUの最低目標に相当する約107TWh(充填率74%)にも届かない可能性がある。ただし、Gasunieは、通常の冬であればガス不足や供給危機が直ちに起こるわけではないとしている。
主な問題は、ガス価格の状況から、民間のエネルギー会社にとって夏にガスを購入して貯蔵することが採算に合わないため、民間企業による備蓄が進んでいないことだ。そのため政府は、国営のEBNを通じて備蓄を進めており、Norg、Grijpskerk、Bergermeerなどで計80TWhを確保する計画である。
一方、専門家は、厳しい寒波が長期間続いた場合や、ガスパイプライン、LNG基地などで障害が発生した場合にはリスクが高まると警告する。寒波の際にはオランダだけでなく周辺国でもガス需要が急増するため、輸入だけでは十分に対応できない可能性がある。特に寒く、暗く、風が弱い日には、ガス火力発電所の需要も増加する。
こうした状況を受け、GasunieやTNOの専門家は、通常の備蓄とは別に「戦略的ガス備蓄」を設ける必要があると提言している。さらにTNOの専門家は、政治的には非常にセンシティブな問題であることを認めつつ、閉鎖が進められているフローニンゲン・ガス田*の一部を非常時専用の予備として維持する可能性も検討すべきだとしている。
*オランダにはガス田があるが、採掘による地震被害のため現在閉鎖されている。