ボス公園の400本の桜の木、伐採予定

アムステルダム市は、ボス公園(Amsterdamse Bos)の桜並木を2028年に伐採し、新たな桜を植える計画を発表した。桜の老化が進み、樹木の健康状態が大きく悪化しているためだという。

ボス公園の「ブロッサムパーク(Bloesempark)」は、毎年春に約10万人が訪れる人気スポット。現在植えられている400本の桜は、2000年に「ジャパン・ウィメンズ・クラブ(Japan Women’s Club)」から寄贈されたもので、当時すでに樹齢10年だった。市によれば、桜は寿命の終わりに近づいており、今後も衰退が進むと見られている。

このうち12本はすでに深刻な状態にあり、近く伐採される予定。残りの木々も2028年にすべて伐採され、その直後に新しい桜の木が植えられる。新しい桜の花が見られるのは2029年の春になる見込みだ。

本来、日本の桜は理想的な環境では40〜50年生きるとされるが、ブロッサムパークでは多くの来園者の影響で土壌が固くなり、根が水や酸素を十分に吸収できない状態にあるという。森林管理人によると「多くの人が踏み固めたことで、土壌に隙間がなくなってしまった。木に必要な水や酸素が届かない」という。

市はこれまでに、地中に空気を送り込んで土をほぐす「エア・プラッフィング」や、ミミズや菌類を加えて土壌改良を試みるなどの対策を行ってきたが、効果は限定的だった。そのため、全面的な植え替えが避けられなくなった。

現在の桜並木はまだ数年は楽しめる見込みだが、市は今後さらに枯死する木が増え、早期伐採が必要になる可能性もあるとしている。新しい公園の最終設計は、今後まとめられる予定だ。