極右PVV党の掲げる厳しい移民・難民計画、実行されず。ただし元与党3党は政策を基本支持。

先週火曜日、極右政党PVV(自由党)の党首ヘルト・ウィルダースは、連立政権からの離脱を発表し、与党内閣は事実上崩壊した。連立4党のうち3党がウィルダース氏が求める最も厳しい移民・難民計画を支持しなかったためだ。

PVV党首ウィルダースの「移民・難民政策10項目計画」は、現内閣によって今後具体化されないこととなった。これは、計画の具体化を求める動議に対し、提案者のPVV自身が反対票を投じたためである。ウィルダースは「具体化ではなく即実行が必要」と主張し、動議の文言に「実行」ではなく「具体化」とあることを理由に反対した。

一方、VVD、NSC、BBBといった元連立与党は動議に賛成し、ウィルダースの方針に一定の理解を示した。ただし、計画の多く(難民受け入れの全面停止、家族呼び寄せの停止、軍の国境配備など)は、国際条約との整合性に疑問があり、実行が困難とされている。NSC党首もすでに「実現不可能な提案が多い」と述べていた。

今回の動議に対する元連立政党の賛成は、実質的な政策実現を意図するというよりも、「厳しい移民・難民政策を支持するのはPVVだけではない」という政治的メッセージとしての意味合いが強い。