オランダ、違法ドラッグ製造でEUの中心

オランダは、ドラッグに寛容な国として知られているが、実際には規定量の大麻販売以外はすべて違法である。しかし、オランダはEU内において違法ドラッグのMDMA(エクスタシー)製造の中心地となっている。2023年にヨーロッパで摘発されたMDMAラボ36か所のうち、32か所がオランダにあった。ベルギーでは4か所のみである。
アンフェタミン(スピード)製造においてもオランダはトップであり、摘発された93ラボのうち38が国内にあった。さらに、ヘロイン製造拠点14か所のうち10か所、メタンフェタミン製造ラボ242か所のうち29か所がオランダに存在していた。
オランダおよびハンガリーでは、スピードやメス、MDMAの製造に使われる化学物質の大規模な押収もあった。
公衆衛生と地域社会へのリスク
EUDA(欧州薬物・薬物依存監視センター)は、EUが違法薬物の主要製造地域であることが、公衆衛生と安全に深刻なリスクをもたらすと警告している。製造拠点の周囲では、爆発、火災、化学物質への曝露などの危険がある。加えて、化学廃棄物の不法投棄も問題であり、2023年にEU全体で236件のうち191件がオランダで発見されている。
デザイナードラッグと新たな脅威
4-MMCや3-CMCなどのデザイナードラッグの押収量が、2年間で4.5トンから37トンに急増した。その多くがオランダ経由で流通していた。オランダでは8か所の製造ラボが摘発され、ポーランド(40か所)に次いで2位となった。新種の出現は減っているが、使用量は増加している。
さらに、強力な鎮痛剤ニタジーン系の使用が拡大しており、エストニアやラトビアでは致命的なオーバードーズが発生している。オランダでは2023年の統計はないが、偽のオキシコドン錠にニタジーンが混入していたことによる死亡例や、2件の入院例が報告されている。
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